ドラッカーと会計の話をしよう

ドラッカーと会計の話をしよう

ドラッカーと会計の話をしよう

ドラッカーと会計の話をしよう

傾きかけたフレンチ料理屋のオーナーが乗った飛行機のファーストクラスで謎の老紳士と出会う。
もしドラ」の1000倍面白かった。これはオススメです!
あまりにも面白いのでネタばれはナシですが、引用されているドラッガーの言葉を列挙します。
「例えば、事業の目標として利益を強調することは、事業の存続を危うくするところまでマネジメントを誤らせる。今日の利益のために明日を犠牲にする」(現代の経営 上 P82)
「投資家のウォーレン・バフェットは、会社の内容を知りたい時には証券アナリストには聞かないと言っていた。彼らは利益を問題にする。利益が問題なのではない」(ネクスト・ソサエティ P156)
「一般の人の無知を訴える企業人自身、利益や利益率について初歩的なことを知らない(中略)利益に関する最も基本的な事実は「そのようなものは存在しない」ということだからである。存在するのはコストだけなのである」(すでに起こった未来 P57)
「会計システムのどの部分が信用でき、どの部分が信用できないかは明らかである。我々がとうてい歩くべきではない薄氷の上にいることは明らかである。最近、キャッシュフローが重視されるようになったのも、会計学の2年生でさえ損益計算書は化粧できるからである」ネクスト・ソサエティ P115)
「もちろん大方のCEOは、短期利益は会社の成績を測る尺度としては全く信頼できず、事実判断を誤らせるということを今では十分認識している」(未来企業 P323)
「ある経理出身の社長がいみじくもいっていたように、「事業年度という暴君」から自らを解放しない限り合理的な事業のマネジメントは行えない」(現代の経営 上 P106)
「利益が問題なのではない。バフェットは銀行のローン・アナリストに聞くという。キャッシュフローを問題にするからである」(ネクスト・ソサエティ P156)
「収益の測定値は、その有する諸資源の利益創出の能力を示すものでなければならない。(中略)それはある一定期間の利益を測るものであってもならない。永続的事業体としての企業の収益性に焦点をあてなければならない。」(未来企業 P327)
「現実には問題を避けつつ、利益の呪文だけを唱えるだけのCEOが少なくない。もうそれではすまない」(ネクスト・ソサエティ P140)
「社会現象においては、一方の極の10%からせいぜい20%というごく少数のトップの事象が成果の90%を占め、残りの大多数の事象は成果の10%を占めるに過ぎない。(中略)製品ラインの中の数百品目のうちごく少数の品目によって、売上の大半が占められる」(創造する経営者 P11)
「?今日の主力製品?明日の主力製品?生産的特殊製品?開発製品?失敗製品?昨日の主力製品?手直し用製品?仮の特殊製品?非生産的特殊製品?独善的製品?シンデレラ製品あるいは睡眠製品」(創造する経営者 P61-62)
「製品の性格の変化、特に衰退に向かっての変化を把握しなければならない。「明日の主力製品から今日の主力製品への変化、さらには、昨日の主力製品への変化をいかに知るか」「開発製品の独善的製品への変化をいかに知るか」が問題である」(創造する経営者 P80)
「およそ企業の内部には、プロフィットセンターはない。内部にあるのはコストセンターである。技術、販売、生産、経理のいずれも、活動があってコストを発生させることだけは確実である。しかし成果に貢献するかはわからない」(創造する経営者 P5)
「プロフィットは外からしかやってこない。顧客が注文をくれ、支払いの小切手が不渡りにならなかったとき、ようやくプロフィットセンターをもてたといえる。それまでは、コストセンターを手にしているにすぎない」(ネクスト・ソサエティ P110)
「第一に、業績の90%が業績上位の10%からもたらされるのに対し、コストの90%は業績を生まない90%から発生する。業績とコストとは関係がない。(中略)第二に、資源と活動の殆どは、業績にほとんど貢献しない90%の作業に使われる」(創造する経営者 P11)
経理の帳簿や経営者の頭の中では、利益とコストは循環しているが、現実は違う。たしかに、利益はコストを賄う。しかし、利益を生み出す活動に意識的に力を入れないならば、コストは何も生まない活動、単に多忙な活動に向かっていく。」(創造する経営者 P13)
「管理可能な支出とは、過去の投資から派生する費用のように取り消すことのできない意思決定の結果としての支出以外の支出、人件費や原材料費のように現在の事業から余儀なくされている支出以外の支出すべてである。それはまさに、今日のマネジメントが決定する支出である」(現代の経営 上 P116)
「管理可能な支出については長期的な視点が必要である。あらゆる活動が短期間だけ強化しても成果はあがらない。しかも支出の急激な減額は、長年築いてきたものを一日で壊す。(中略)売上が10%落ちただけでトイレの石鹸をストップするなどということは、行ってはならない」(現代の経営 上 P117)
「好況時に予算を増額し、景気にちょっとしたかげりがみえただけでそれを減額するような場当たり的な方法ではなく、たとえ間違っていたとしてもマネジメントの判断によって行う必要がある」(現代の経営 上 P117)
「目標の達成に関しては、目先すなわち2、3年先と、その先の将来すなわち5年以上先との間のバランスを考える必要がある。このバランスは管理可能な支出についての予算によって実現される。近い将来と遠い将来のバランスに影響を及ぼす意思決定は、すべて管理可能な支出についての決定によって行わなければならない」(現代の経営 上 P115)
「一般的なコスト削減計画では、うまくいっても効果は小さい」(創造する経営者 P16)
「第一にコスト管理は、最大のコストに集中しなければならない。5万ドルのコストの一割削減に要する量力は、500万ドルのコストの一割削減に要する労力とほとんど同じである。(中略)第二に、コストはその種類によって管理しなければならない。(中略)第三に、コスト削減の最も効果的な方法は、活動そのものをやめることである」(創造する経営者 P87)
「会計こそ最古の情報システムである。あらゆる意味で陳腐化しているにも関わらず、理解できる馴染みのものであるがゆえに、いまだに生き長らえている情報システムである」(ネクスト・ソサエティ P141)
「企業が収入を得るのは、コストの管理ではなく、富の創造によってである。この当たり前のことが、これまでの会計には反映されていない」(明日を支配するもの P135)
「どれだけの収入があるかはつかんでいる。どれだけの支出があるかもつかんでいる。どこへ支出しているかさえわかる。しかし、支出と成果を結びつけることができない。その方法がわからない」(ネクスト・ソサエティ P115)
「製造を原材料を経済的満足に変えるプロセスとして定義するならば、製造プロセスは、製品が工場をでたときに終わるのではないことになる。物流やアフターサービスも、製造プロセスの一部であり、工場と融和し、調整し、管理しなければならない」(テクノロジストの条件 P127)
「70年前にGMが開発した今日の原価計算は、個々の作業のコストの和をもって総コストとした。だが、競争上および収益上意味を持つコストはプロセス全体のコストである。ABC原価計算が把握し管理しようとするコストがこれである」(明日を支配するもの P127)
「コストとは、製品やサービスを購入しその効用を得るために最終消費者が支払うものである。(中略)しかし、消費者にとって重要なのは全体のコストである。コストが原材料から最終製品にいたる一連の経済連鎖のどこで発生しているかは全く関心のないことである。消費者にとっての関心は、得るものに対する支払いの総額である」(創造する経営者 P88-89)
「?従来の原価計算は、原材料を除く総コストのうち、肉体労働者の直接労働コストが80%を占めていた1920年代当時の現実にもとづいたもままである。?原価計算は、製造プロセスや製造方法の変更によるコスト削減まで、直接労働コストの比によって比例計算している。?原価計算は生産時のコストしか把握できない。?原価計算は工場を独立した存在として扱っている。工場内のコストだけを現実のものとして把握する。プロセスの変化が製品やサービスの質に及ぼす影響は、推定にすぎないとして把握しようとしない。1970年代以降のGMの苦境がまさにこの問題を浮き彫りにした」(テクノロジストの条件 P118-119)
「ABC原価計算は、原材料や資材や部品が工場に到着した所から、製品が最終消費者の手元に達した後までのプロセス全体を把握する。たとえ消費者が負担していようとも、設置やアフターサービスのコストまで製品のコストの一部として捉える」(明日を支配するもの P127)
「経済連鎖全体のコストを管理することは、コスト手動の価格設定から、価格主導のコスト管理に移行することに伴う必然である」(明日を支配するもの P133)
「ABC原価計算は、機械の遊休時間や材料、工具の待ち時間、出荷の待ち時間、不良品の手直し、および廃棄処分のコストなど、何もしないことに伴うコストも計算する。しかるに、この何もしないことに伴うコスト、すなわち、かつての原価計算が把握できず、したがって把握してこなかったコスとこそ、何かをすることに伴うコストに匹敵する大きさである。ときには上回りさえする。したがってABC原価計算は、これまでの原価計算よりもコストの管理に優れているだけではなく、成果の管理を可能にする」(明日を支配するもの P127-128)
「第一に利益は事業活動の有効性と健全性を測定する。まさに利益は事業にとって究極の判定基準である。第二に、利益は陳腐化、更新、リスク、不確実性をカバーする。この観点から見るならば、いわゆる利益なるものは存在しないことになる。事業ぞん賊のコストが存在するだけである。こうしたコストを生み出すことは企業の責任そのものである。第三に利益は、直接的には社内留保による自己金融の道を開き、間接的には事業に適した形での外部資金の導入誘因となることによって、事業のイノベーションと拡大に必要な資金の調達を確実にする」(現代の経営 上 P104)
「企業にとって第一の責任は存続することである。(中略)利益の最大化が企業活動の動機であるか否かは定かではない。これに対し、未来のリスクを賄うための利益、事業の存続を可能とし、富を生み出す資源の能力を維持するための最低限度の利益を上げることは企業にとって絶対の条件である」(現代の経営 上 P60-61)