オープンソースと職務著作

著作権法の15条に職務著作という規定があります。
要約すると、著作物をつくる「企画」を立てたのが法人であり「職務上」の行為として創作されるものが一般的に法人名義の著作権に該当します。

では、「職務著作」と見なされないものとは何か。
明らかに法人が立てた企画の著作物ではなく、職務上の行為とは別のものであれば、個人の著作物と認められると私は考えます。
OLE POS for .NETは、「汎用的に使える動的な.NET用OLE POSドライバ」で、POSレジソフトそのものではありません。また、業務に依存しそうな部分はソース内に入れてません。
実際、CV POSの中のOLE POSにアクセスする部分のソースと、OLE POS for .NETのソースは、比べるとかなりの部分が違っています。(実際、OLE POS for .NETは別物として一から書き直しているから)

CV POSの場合には、「CV.netに連動するPOSレジソフト」が法人としての「企画」であり、CV POSのソース一式が法人名義の著作権に該当するということになります。
さて、OLEを呼び出すドライバ部分ですが、もともとCV POSはEpsonのプリンタで印字できればよく、実際最初は提供されたOLEのラッパーを使っていました。

しかし、この状態ではOLEのバージョンが変わるごとにプログラムをコンパイルし直して納品することになります。(最初はその方針でやろうということで周りもOKでした)
しかし私は考えました。動的にドライバを呼び出す汎用的なクラスをつくってしまったほうがいいんじゃないか?
それで土日を利用して作ってみたわけです(業務と離れて試行錯誤するので土日を利用)
それでうまくいったので、CV POSに組み込みました。
また、最初につくったシンプルなソースを元にしてオープンソースとしての公開準備も同時に行っていきました。(ソースの整理、独立したテストプログラムの作成など)
CV POS自体は、オープンソースではなくクローズドな企業の業務ソフトウェアです。
さらにCV POSのほうは、SharpやTEC(予定)に対応している部分が入っています。
(これはOLE POS for .NETには入ってません)

ということで、CV POSと OLE POS for .NETは別物です。

なぜオープンソースにしたのか?
このOLE POS for .NETも結果として、CV POSの宣伝になりDTPの会社の名誉を高めるようになれば、他にもオープンソースに取り組みやすくなります。
会社として成長するということと、社会に貢献していくということは共存すべきだと思います。

そのための布石としてやっているのですが、細かく説明しないと意図を理解してもらうのは難しいですね。
「燕雀いずくんぞ 鴻鵠の志を知らんや」

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